大井町パブリックトイレ公募

東京都品川区大井町の駅前にある公衆トイレの建て替えの公募。

既存の公衆トイレの敷地に加え、線路沿いの歩道部分を公園化するという内容であった。

商業施設におけるトイレの発展により、公共事業においてもトイレの重要性が意識されはじめ、今日における我々日本人のトイレ意識は世界的にみても非常に高い。しかし同時に商業的な側面からの影響が過多になっていることから、清潔感や高級感だけが先行し、トイレ空間そのものの問題は未だ解決できないままとなっている。

そこで、本計画では公衆トイレにおける屋内外の境界に厚みを与え、パブリックスペースの環境下の中で湿り気のない気持ちの良いプライベート性を確保する提案を行なった。家型の屋根を反転し外に開くことで、これまで内側に閉じてきた空間を外へと開き、内側からは外にひらかれた印象となり、外部空間は屋根に包まれた軒下空間となる。こうすることで部屋のような外部空間と、庭のような屋内空間が生まれ、急激なスケールダウンや薄い境界によって引き起こされてきた公衆トイレの湿り気が改善されることを期待した。また、屋根が外倒れになっているため外から内へ向かうベクトルが遮断され、さらにガラス面はミラーフィルム・夜間も庭から光をとりこむことで光のベクトルを一方通行化させ、外からは完全に内部が視認できないようになっています。

通常の屋根勾配は都市の水の流れ(ひとの流れ)を加速させるものだが、今日の早すぎるスピードに対して溜めるプロポーションとすることで少しだけゆっくりと水も人も流れることができるのではないかという意図を内包している。

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